大理石建材・天然石複合板のBOSストーン株式会社

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石のあれこれ

大理石の成り立ち

大理石はどのように出来てきたのでしょうか。

大理石 ブロック状原石

大理石は一般的に一括りで石灰岩と言われていますが、高熱を受け再結晶した結晶質石灰岩と高熱の影響を受けていない石灰岩の 2種類に分かれます。
石灰岩は石灰質(炭酸カルシウム)の生物の骨や殻が積み重なってできた岩石なので、高熱の影響を受けていない石灰岩には化石が 多く見られ、高熱の影響を受け再結晶化した結晶質石灰岩はほとんど見られません。
結晶質石灰岩の多くの部分は炭酸カルシウムの結晶で出来た方解石という鉱物で、白色か無色なので全体的に白い石に見えることが 多く、代表的にはミロのヴィーナス像です。そして、この白色や無色の方解石に黒色茶色緑色などの別の鉱物が混じる ことで、さまざまな色合いや模様の大理石になります。
高熱の影響を受けていない石灰岩は、いろいろな堆積状態で出来たいわゆる石灰岩のほか、縞模様のトラバーチンとその名のとおり 蛇の模様に見える蛇紋岩があります。

大理石の柄 (1) 白い斑点

ボテチーノの白い斑点模様は化石なんです。

ボテチーノ 石材表面

商業施設の内装でよく見られるボテチーノは、イタリア北部から切り出されるベージュ色の大理石です。
この大理石は、切り出される採掘場(丁場)や採掘する深さで色味や柄に大きな幅があります。 そしてまた、画像を見るとよくわかりますが、丸くて白い斑点が点在している大理石でもあります。
この丸くて白い斑点は、『石灰藻』という光合成をする植物の化石です。石灰藻は石灰分を球状に固まらせる役割があり、 大きな塊になってサンゴ礁の形成にも係わっているようです。
ボテチーノの断面の白い斑点の柄は、このようにして生み出されたものです。

大理石の柄 (2) 縞模様で孔がたくさんある

トラバーチンは地表で作られてきた。

トラバーチン 石材表面

トラバーチンは、イタリア、イランなどから切り出される縞模様で多孔質の大理石です。
温泉に溶けていた炭酸カルシウムが地表に湧き出し方解石として沈殿し、それが積み重なって出来ています。 その過程で他の鉱物や不純物が混ざり年輪のような縞模様を形成しています。
見た目でもすぐわかる多孔質のトラバーチン以外にも、細かい方解石が詰まったセルベジャンテ、 透明感のある結晶で孔や空間を埋めたオニキス(瑪瑙、めのう)があります。

大理石の柄 (3) ギザギザの線

ペルリーノキャーロは圧力で線模様ができた。

ペルリーノキャーロ 石材表面

ペルリーノキャーロは、イタリアから切り出されるギザギザの線模様が入ったごく淡いベージュ色の大理石です。
地中深くにおいて、圧力で岩石がつぶされながら溶けた跡がギザギザの線となって現れます。これをスタイロライトと呼びます。
炭酸カルシウムは溶けやすいので、石灰岩ではスタイロライトが起きやすい。圧力も一様にかかるわけではないので 線がギザギザの模様となります。また、その溶けた部分に鉄分などが入り込み沈殿することで、 ギザギザの線が赤黒くなったりします。
ボテチーノのギザギザの線の模様も同じ成り立ちです。

大理石の柄 (4) 網模様

フィオールデベスコは圧力で出来た割れ目を鉱物が埋めた。

フィオールデベスコ 石材表面

フィオールデベスコは、イタリアから切り出される白く太めの筋が入った淡いグレー色の大理石です。
地中深くにおいて、圧力で岩石が割れた後に地球活動の変化で圧力が弱まると割れた隙間が広がります。 その割れ目に地下水が入り込み方解石などの鉱物が次第に沈殿し、割れを埋め尽くすと白系の筋がとなります。

大理石の柄 (5) グリーンオニキス

オニキスと瑪瑙(めのう)は縞の違い。

グリーンオニキス 石材表面

瑪瑙の縞模様は同心状、オニキスの縞模様は平行になったもの。違いがあるものの高価な石です。
主に緑色をしたグリーンオニキスは、薄い緑や濃い緑まで様々な色合いのものがあります。その緑色の中に赤や茶色などの鉱物が 層を成すように入り、不規則な縞模様を形成しています。石材としては違いの幅がかなり大きい石です。
また、多孔質であるので水分に注意が必要です。

御影石の成り立ち

御影石はどのように出来てきたのでしょうか。

御影石 石材表面4種

御影石は一般的に一括りで花崗岩と言われますが、地質学的には花崗岩ばかりではなく、片麻岩や斑レイ岩、閃長岩、 玄武岩などが含まれます。
鉱物としては、カリ長石(ピンク色)、斜長石(白色)、石英(グレー)、黒雲母(黒色)の4種類が主に含まれ、 それぞれが含まれる割合で見た目の色合いが変わり、分布状態や並び方でも見た目が変わります。
マグマが地下深くで固まってできた火成岩は、固まる過程で固まりやすい(融点の高い)鉱物が最初に結晶となる。 その後温度低下が進むと次に固まりやすい鉱物が結晶となる。次第に結晶の隙間でしか結晶化出来ない鉱物は、 隙間の形に結晶化することになります。
こうして多くの御影石に見られる、いくつかの色が模様を形成している幾何学模様が出来上がります。

御影石のバーナー仕上げ

バーナーで表面を荒らします。

バーナー仕上げ作業

御影石に含まれている石英の熱膨張率が、他の鉱物に比べて低いという特徴を利用して表面の加工を行います。 御影石の表面をバーナーを使って炙ると表面の鉱物が熱膨張して弾き飛ばされ、適度に荒らされた凹凸が出来ます。
滑り止め効果として広く使われています。

御影石の柄 (1) 螺鈿模様

青く光るのは光の干渉効果。

エメラルドパール_石材表面

ノルウェーのオスロ南西部の沿岸部を産地とするエメラルドパールやブルーパールには、画像のような螺鈿模様 が美しい御影石があります。
このキラキラ光り輝く部分は、ラルビカイト(和名は月長石閃長岩)と呼ばれる鉱物です。 長石の部分に現れるシラー効果(光の干渉効果)によって閃光を放つように輝いています。

御影石の柄 (2) 赤御影石

カリウムが”赤”を生み出しています。

ニューインペリアルレッド_石材表面

インド産出のニューインペリアルレッド、南アフリカ産出のアフリカンレッド。
赤御影石の代表的な2つの石材は、構成鉱物のカリ長石にカリウムを多く含んでいるため全体的として赤色が強く見えます。
赤色以外の黒い斑点部分は黒雲母、わずかに見受けられる白っぽい斑点部分は斜長石や石英です。

御影石の柄 (3) 波模様

インド産の混成岩に多く見られます。

ジュパラナコロンボ_石材表面

御影石はマグマが冷え固まった火成岩(深成岩や火山岩)が多いのですが、大理石に代表される変成岩(熱による再結晶)と マグマがゆっくり冷え固まった深成岩が入り混じったもの(混成岩、ミグマタイトとも言います)もあります。この混成岩は 大理石のような波模様(流れ模様)の柄を持つのが特徴です。
また、混成岩はインド産出のものが比較的多く、マルチカラーレッド、ジュパラナコロンボ、パラディソブラウン、ベルデマリーナ などがその代表石材です。